2022年 08月 01日
『朝が来る』 |
昨日『Mother マザー』(大森立嗣監督、2020)を見たのは書いたけれど、
監督名を忘れていた。
今日は『朝が来る』(河瀨直美監督、2020)(英語での題名は True Mothers)を
オンライン上のレンタル(240円ぐらい)で見る。
両方とも同年に制作され、「母性」「母親であること」がテーマになっている。
『朝が来る』では特別養子縁組についてのテーマも絡む。
河瀨監督の映画だというので、とても期待していた。
最初の美しい映像を見たとき、だから河瀨監督は注目されるのだと納得。
しかし、映像が美しすぎて、登場人物の心理とはかけ離れたものになり、
観る側の集中力が途切れる。
一瞬、迷いや悲しみが明るい光の輝きに変わってしまうからだ。
セリフではなく映像で語ろうという意図はとてもよいのだけれど、
このテーマにはそぐわないな、というのが正直な感想。
あるいは、映像がテーマの掘り下げの妨げになっていると言えばいいだろうか。
とはいえ、見終わってから、何かが心にずっしりと響いているので
そこがこの映画の優れたところだと思う。
この監督、国際的に知名度が上がるにつれて
それなりのテーマを探そう、いい小説を原作にしようとしているようだ。
もっとローカルなものに目を向ければ
味があって深みのある作品が生まれるように思えるけれど、
これは全く持って個人的な感想。
下の写真は映画とは無関係。
でも、「母性」の桎梏のようなものが少し関係している気がしないでもない。
【追記】
バイオリニストの佐藤陽子さんが亡くなったことを今しがた知った。
この方、池田満寿夫のパートナーだったが、
池田氏の他界からもう25年もたつのかとびっくり。
お二人の関係が芸術に濃密に反映していたようで、とても印象に残っている。
by rami-333
| 2022-08-01 14:04
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